債務整理ラボ > 記事一覧 > お役立ち情報・コラム > 自己破産をした場合の影響~給料、ボーナス、退職金などに影響は出るか

自己破産をした場合の影響~給料、ボーナス、退職金などに影響は出るか

この記事は約 3 分で読めます
[掲載日]2021/09/26 250 -

自己破産手続きをする場合には、申立人の財産は換価され配当に回されます。給与やボーナスも資産として差し押さえの対象になるので、差し押さえられてしまうのでは?と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
自己破産手続き自体で差し押さえを受けるということは無いのですが、手続に関連して差し押さえを受ける可能性はあります。
会社を辞めるときに受け取ることになるはずの退職金の取り扱いとともに確認しましょう。

自己破産手続きで給与・ボーナスが差し押さえられるわけではない
自己破産手続きにおいては、資産になるものはお金に換えた上で(換価)債権者に配当が行われることになっています。給与やボーナス(賞与)は金銭債権として使用者に請求することができる権利なので、換価のために差し押さえられるのでは?と考えてしまう方もいらっしゃいます。しかし、後述するように資産として計算されるものがあったとしても、破産手続き内で処理をするので、差し押さえられるようなことはありません。

自己破産手続きの中で給与・ボーナスの差し押さえがないにしても、関連する手続き中に給与・ボーナスが差し押さえられる可能性について確認しておいてください。

自己破産申し立てにあたって、債権者が債務整理に協力的でない場合や、時効が近い場合、依頼者が弁護士に分割している弁護士費用の支払いをしないために手続きが長引いている場合には、債権者は裁判を起こしてきます。これによって給与・ボーナスが差し押さえられる可能性はあります。
申し立てをすれば、破産手続きの中で差し押さえは解除されるのですが、差押を受けると借金を払えていないのが会社にわかってしまいますので、訴訟を起こされないように弁護士に対策を依頼することをお勧めします。

給与やボーナスが比較的多いため貯金がある場合

給与・ボーナスを受け取ることができるにしても、その額が多い場合には、手続において少額管財になる可能性があります。たとえば、大阪地方裁判所の運用では普通預金が50万円以上ある場合には、資産があるという認定がされて、同時廃止ではなく少額管財手続きで手続きが進行することになります。預金を作ってしまうと、それを引継予納金として破産管財人に納付する必要があります。

退職金がなぜ自己破産手続きに影響するのか
退職時に会社から支払われるのが退職金で、万が一懲戒解雇をされると1円の支払いも受けられないのですが、破産手続きにおいて、後述する割合で資産として認定されます。これは、退職金が給与の後払い的な性質があるとされているためです。

退職金は、在職中であればその時に支給される金額の1/8が、退職後支給前であればその1/4が資産として計算されます。申し立てにおいて退職金に関する規定を取り寄せたり、場合によっては今退職した場合にいくらの退職金が支給されるかの退職金証明書の提出を求められたりすることがあります。

例えば大阪地方裁判所に申し立てをすべき人の退職金が160万円以上あるような場合には、20万円以上の資産があるという認定がされます。その結果、少額管財手続きで、財産の配当が行われます。

現実に退職していないにもかかわらず配当に回すということは会社を退職しなければならないのか?と思う方がいるかもしれません。しかし、このような場合でも退職をする必要はなく、実務的には資産と認定される分のお金を事前に用意して管財人に引き渡すとされています。
とはっても、自己破産をする際には大金ですので、どのように準備をするかは弁護士に方法を考えてもらうようにしましょう。

コメントをする

ログインしてコメントする※コメントは承認後に表示されます。