個人再生(小規模個人再生)とは~借金の大幅な圧縮が可能!

[掲載日]2021/09/25 270 -

個人再生では、裁判所での手続きを通じて借金を大幅に減額することが可能です。個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類がありますが、以下では、個人再生の基本型であり、実際使われることも多い小規模個人再生を念頭に置いて解説していきます。
個人再生には以下のような特徴があります。
①借金を多くの場合5分の1に圧縮(総額が500万円以上1500万円未満の場合)したうえで、3年間の分割払いが可能
②住宅ローンを支払い中の方であれば住宅ローンは約定返済を続けてマイホームを残すことが可能
③借金のほぼすべてがギャンブルや浪費などによるものでも問題なく手続きが可能
④破産による資格制限・職業制限を回避することが可能
ただ、個人再生は他の債務整理方法と比べても手続きが複雑で、どうしたらいいか分からないという方も多いと思います。また、実は地域差も大きい手続きで、東京地裁を中心に関東やそのほかの一部地方では個人再生委員という第三者の弁護士が裁判所から選任されることが多いのに対し、大阪を中心とする西日本の裁判所では個人事業主の場合や負債額が大きい場合を除いて個人再生委員は選任されないといった違いもあります。
詳しくはお住まいの地域(=自分が個人再生手続きを行う場合の管轄裁判所の管内)の専門家にご相談頂くのが一番です。ここでは、一般的な利用条件について簡単にまとめておきます。
利用条件
・安定した収入が必要
職業の種類(会社員か個人事業主かなど)は問われませんが、圧縮した借金を3年間という期間で確実に返すことができる「履行可能性」が裁判所に審査されます。そのため、実際上は安定した収入が条件の一つとなります。
・財産の算定も必要
債務額の5分の1(総額が500万円以上1500万円未満の場合)の金額と、自分名義の財産の金額(清算価値という破産した場合に債権者に配当される金額)を比べて高い方の額を3年かけて返していくことになります。債権者が破産手続きの時よりも不利に扱われないようにするためです。
・債務額で過半数を占める債権者が反対しないことが必要
小規模個人再生では、金額で過半数に達する債権者が反対すると認可がされません。反対する業者はそれほど多くないので、複数の業者が反対することはあまりないのですが、単独の業者で過半数を占められているとその業者の動向について注意が必要です。
・同居家族の協力や理解が必要
家族に秘密にしたい人もおられるでしょうが、個人再生手続きではかなり厳しいといわざるを得ません。同居者の収入資料や家計収支表を提出し、家計全体で計画弁済額(個人再生が認められた場合に返済する月額)に相当する金額を確実にねん出する必要があるためです。自分で同居家族の収入も含めて細かい家計管理を行い、同居家族にはお小遣いを渡してあげているという立場でもなければ家族に隠しながら手続きするのは不可能でしょう。
