任意整理(債務整理)ができない場合があるって本当?

[掲載日]2021/11/17 244 -

任意整理とは、裁判所を利用せずに、弁護士や司法書士に金融業者と交渉してもらって、利息のカット(将来かかってくる利息をゼロにする)のうえ、長期(3年~5年程度)の分割の取り決め(和解)をしてもらうというものです。
言葉としては任意整理のことを指して「債務整理」と呼ばれることもありますが、「債務整理」とは本来は破産や個人再生なども含めた借金問題の解決方法一般をさしている言葉といわれています(「債務」が借金の意味なので、借金を「整理」する手続きといえば破産なども含まれます。)。
この任意整理ができない場合というのがいくつかあるのです。
①借金の総額が大きく、任意整理をしても和解通りに返済することが難しい場合
返済する手続きですからこの点は一番に考える必要があります。金額が大きく任意整理ができない場合は破産か個人再生を選択しましょう。
②金融業者が応じてくれない場合
任意整理は、あくまで金融業者と交渉して借金の返済方法について和解をするというものですから、業者の側が全く応じてくれなければできません。金融業者が応じてくれない場合というのはいくつかパターンがあります。
・借り入れ初めからの期間が短く業者の側が一括(または数回程度)での返済を求める場合
・二度目の任意整理(任意整理後の返済がうまくいかなくなり再度交渉をしている)の場合や詐欺的な利用が発覚している場合など特殊な事情がある場合
・そもそも会社の方針として任意整理に応じないという方針の業者である場合
最後の会社の方針として応じていないという業者は、弁護士や司法書士が交渉する場合では最近はほとんどありません。しかし、後述 するように将来分の利息も求めてくるなど、返済額が多くなるように努力する業者はあります。
金融業者による条件等の違い
変則的な類型として、長期の分割には応じてくれるものの、将来分の利息についてのカットに応じてくれないという業者もいます。
これも、そもそも会社の方針として将来分の利息を取ることにしている業者と、借り入れ開始からの期間が短い又はその他の特殊な事情がある場合に将来分の利息もとることにしている業者の2種類があります。
この場合、完済までの道筋(返済回数)について決めることができるという点や多くの場合は今まで通りの返済よりは月々の返済額が低くなるという利点はあるものの、利息をカットしてくれる場合に比べると返済金額(毎回の返済金額も総返済金額も)や返済期間が長くなるという不利益があります。
